慢性血栓塞栓性肺高血圧症とは?

慢性血栓塞栓性肺高血圧症(chronic thromboembolic pulmonary hypertension:CTEPH)は、器質化した血栓で肺動脈が狭窄や閉塞し、平均肺動脈圧が25mmHg以上に上昇した状態です。労作時の呼吸困難感や浮腫といった右心不全症状を訴えることが多く、進行すると胸痛や血痰を認め突然死することもあります。 

 慢性血栓塞栓性肺高血圧症に対するバルーン肺動脈形成術

肺動脈本幹から肺葉・区域動脈近位部に病変を認める場合は、外科的な治療として肺動脈内膜摘出術(PEA : Pulmonary endarterectomy )が良い適応と考えられており、症状や血行動態、生命予後の改善が期待されます。しかし、区域動脈末梢の病変に対しては、手術が困難な場合が多い現実があります。

そこでカテーテルで治療を行うバルーン肺動脈形成術(BPA : Balloon Pulmonary Angioplasty)が開始されました。外科によるPEAが困難と考えられる区域動脈末梢の病変や、高齢および、合併症のためにPEAができない症例にも、施行することが可能です。肺動脈全体を段階的に治療するために、複数回のカテーテル治療が前提となりますが、多くの症例で呼吸困難感が改善し、血行動態を改善させることが可能となっています。

近畿大学病院循環器内科では、2022年よりBPA治療を開始しました。入院期間は3泊4日です。

当院でBPAを施行した症例のうちの1例。閉塞していた肺動脈が治療により再灌流した。

 実施医

  • 高瀬 徹
  • 筧 和剛