僧帽弁狭窄症とは?

僧帽弁は心臓の左心房と左心室の間にある2枚の弁であり、この2枚の弁の接合部(交連部)が癒合して可動性が低下し、弁の開口部が狭くなった状態を、僧帽弁狭窄といいます。僧帽弁狭窄症が中等度から高度になると、心臓から全身への血液供給が妨げられ、心不全症状 (呼吸困難、全身の浮腫み)、不整脈の合併 (心房細動など)、心房内血栓の合併を引き起こします。

 僧帽弁狭窄症の治療方法

僧帽弁狭窄症に対しては、胸を切開(開胸)して、僧帽弁を置換する手術が標準治療として長年実施されて来ました。しかし現在、形態的にカテーテル治療 (PTMC: percutaneous transcatheter mitral commissurotomy)が適している際にはカテーテル治療が第一選択とガイドラインにおいて明記されています。

PTMCを選択することで、治療リスクや手術による負担の軽減が期待されます。また、経カテーテル治療が無事に終了した際には、早期の退院(平均3日程度)が可能となります。

検査・治療時間はおよそ1-2時間です (心臓の形態により施術時間は前後することがあります)。治療は局所麻酔のみで行うことが可能ですが、長時間の安静による苦痛が伴わないように薬剤を使用し適時、鎮静・鎮痛を図ります。

また術中に呼吸をサポートするための陽圧マスクを使用することや、全身麻酔を使用し鎮静を行った上で気管挿管・人工呼吸管理を行うこともあります。気管挿管・人工呼吸管理を行う際は経食道心エコー図検査を併用し、人工呼吸管理を行わない際は体表から経胸壁心エコー検査や心腔内エコーを適宜施行しながら治療を行います。

大腿静脈よりバルーンのついたカテーテルを挿入し、右心房に進めます。次いで、心房中隔 (左心房と右心房の間の隔壁)を貫いて左心房へすすめた後に、僧帽弁を経て左心室にバルーンカテーテルを通します。僧帽弁の部位でバルーンを拡張して癒合した弁交連に切開を入れ、弁口面積を広げます (図1,2)。

図1:PTMCについて
図2:イノウエバルーン (東レメディカル社)を用いたPTMCの透視画像

 当院の特徴

僧帽弁狭窄症の患者様は減少傾向にあることで、PTMCを安全に実施出来る施設、医師も減っています。
当院ではPTMCに関して豊富な経験を有する医師及びハートチームにて至適な治療を提供させていただきます。

 実施医

  • 水谷 一輝
  • 中澤 学

実績

2019年:43例
2020年:74例