CCUチーム

"どんな患者さんも絶対に断らない"をポリシーに

CCU病棟(cardiac care unit)は急性心筋梗塞や不安定狭心症などの重症冠動脈疾患だけでなく、 重症心不全、重症不整脈、大動脈解離などの大動脈疾患、また心肺停止蘇生後など様々な疾患の患者さんに対して治療を行う循環器系集中治療部門です。

当院では、救急災害センターの4階にCCUは6床確保されており、循環器救急患者さんは絶対に断らないという理念のもと日々診療を行っております。

CCU は24 時間365日体制で循環器内科、心臓血管外科医師が院内で待機しており、ハートコールといった医師直通のホットラインシステムを利用することで、一刻一秒を争う患者さんに速やかに対応が出来るようになっており、また心臓カテーテル検査室に関しても、心臓血管撮影装置2台が併設されていることで緊急治療を要するような急性心筋梗塞の患者さんの搬送が重なった場合にも、すぐに対応できる体制が整っております。

また当院の特徴としては、全国では数少ない植込み型補助人工心臓の実施施設であり、既存の補助循環装置(下図)が全て使用出来る施設となっております。そのため心原性ショック、重症心不全、心肺停止蘇生後の患者さんなどに対しても積極的に経皮的なIABP、PCPS、IMPELLAなどの補助循環装置を使用した治療を行い、離脱困難な症例に対しては、心臓移植までのブリッジとしての体外型/植込み型補助人工心臓(LVAD)への移行も心臓血管外科と連携を取り、当院で高度で専門的な治療一貫して行うことが出来ます。

また、高齢者に対しては待機的な症例のみではなく、緊急的な症例に対しても積極的にTAVI、Mitraclipといった最先端の低侵襲心血管治療も行っております。

当センターでは循環器の専門医が中心となり、看護師、臨床工学技士、検査技師、放射線技師など多くの専門職がチームとなり治療にあたることで、患者さんに対してより高度で安全な医療を提供しております。

診療体制

CCUでは3~4名が常駐しており重症患者の対応を行っている。また24 時間365日体制で循環器内科医がハートコールといった医師直通のホットラインシステムを携帯しており、ベッドが満床でも迅速にベッド調節を行うことで常に患者様をお断りすることなく受け入れを行っている。

当直帯も病棟当直とCCU当直の2人体制、オンコール医3名体制で診療を行っており重症な患者さんの搬送依頼が重なった場合にも対応出来る体制になっている。救急外来で診療後は各専門分野のチームが主治医として診療を行うようにしている。

治療実績

研究内容

  • 急性冠症候群患者を対象とした、心血管イベントの残余リスクの検討
  • PCPS、IMPELLAといった補助循環装置使用患者における吸入NOの役割

虚血チーム

主に診療している疾患

虚血性心疾患(狭心症、急性心筋梗塞)
閉塞性動脈硬化症

診療体制

当科では外来診療に加え、24時間体制で救急対応を行っており、緊急でのカテーテル検査がいつでも出来る状態です。
また、重症な場合は集中治療室であるCCUにて、高度な医療を提供します。

・虚血性心疾患

当院の虚血性心疾患の診断は、運動負荷検査(心筋シンチグラフィ・運動負荷心エコー)や冠動脈CT・FFR-CTなどの複数の検査の中で、最適な方法で評価致します。その上で必要な場合は、心臓カテーテル検査や侵襲的な治療法である経皮的経皮的冠動脈インターベンション(PCI)や冠動脈バイパス術を行います。症例によっては、心臓血管外科医とカンファレンスを行い、より理想的な治療を検討致します。

心臓カテーテル検査、PCIは月曜~金曜まで毎日施行しています。特に、心臓カテーテル検査の場合は入院することなく、日帰り(外来)カテも可能です。またPCIに関しては、血管内超音波(IVUS)や光干渉断層法(OCT)、光周波イメージング(OFDI)などの血管内画像診断法を積極的に用いることで、冠動脈狭窄の原因究明や適切な治療を行っています。さらに、施設認定が必要なロータブレーターやダイヤモンドバック、方向性冠動脈粥腫切除術といった専門性の高い医療が可能であり、幅広い治療の選択肢があります。

・閉塞性動脈硬化症

当科では、閉塞性動脈硬化症に対する治療として、薬物療法に加えて血管内治療(EVT)を月曜日・水曜日に行っています。EVTにおいて、治療の難しい慢性閉塞性病変・重度の石灰化病変に対しても、双方向性アプローチやエコーガイド下アプローチ、クロッサーを用いることで成功率を高めています。また、重症虚血肢に関しても皮膚科、整形外科、形成外科と連携し治療を行い、できる限りの下肢の温存に努めています。

研究内容

・Clinical and angiographic factors predicting fractional flow reserve and explaining the visual-functional mismatch in patients with intermediate coronary artery stenosis

Heitaro Watanabe,Kyohei Onishi, Kazuyoshi Kakehi, Toru Takase, Kenji Yamaji, Masafumi Ueno, Kazuhiro Kobuke, Shunichi Miyazaki, Yoshitaka Iwanaga

Coronary Artery Disease. 2020 Jan;31(1):73-80.

・Determinants and prognostic implications of instantaneous wave-free ratio in patients with mild to intermediate coronary stenosis: Comparison with those of fractional flow reserve

Kyohei Onishi, Heitaro Watanabe, Kazuyoshi Kakehi, Tomoyuki Ikeda, Toru Takase, Kenji Yamaji, Masafumi Ueno, Kazuhiro Kobuke, Gaku Nakazawa, Shunichi Miyazaki, Yoshitaka Iwanaga

PLoS One. 2020 Aug 6;15(8):e0237275.

・Impact of Neointimal Condition and Platelet Reactivity on Intrastent Thrombus at Long-Term Follow-up After 2nd- and 3rd-Generation Drug-Eluting Stent Implantation – Insights From a Coronary Angioscopy and Pharmacodynamic Study

Takero Matsuura Masafumi Ueno  Heitaro Watanabe Masakazu Yasuda Toru Takase Takashi Nakamura Kenji Yamaji Yoshitaka Iwanaga Shunichi Miyazaki Gaku Nakazawa

Circulation Journal. 2020 Nov 25;84(12):2244-2252.

・Difference in neointimal coverage at chronic stage between bare metal stent and sirolimus -eluting stent evaluated at stent-strut level by optical coherence tomography
Shinichiro Ikuta  Kazuhiro Kobuke Yoshitaka Iwanaga Yoshifumi Nakauchi Kenji Yamaji  Shunichi Miyazaki
Heart and Vessels :2014:29:320-327

・Difference in statin effects on neointimal coverage after implantation of drug-eluting stents
Hiroyuki Yamamoto  Shinichiro Ikuta  Kazuhiro Kobuke  Masakazu Yasuda
Tomoyuki Ikeda  Kenji Yamaji  Masafumi Ueno  Yoshitaka Iwanaga
Shunichi Miyazaki
Coronary Artery Disease 2014; 25(4):290-295

・Clinical utility of low-pressure implantation of drug-eluting stent into very small vessels
Tatsuya Suga   Yoshitaka Iwanaga   Kazuhiro Kobuke  Keisuke Morimoto  Shinichiro Ikuta   Masafumi Ueno    Naoya Koboyashi Kenji Yamaji Tomoyuki Ikeda    Shunichi Miyazaki
Journal of Cardiology:2014:63(3):218-222

SHDチーム

SHD (Structural Heart Disease)とは?

SHDとは構造的心疾患の略称です。
現在近畿大学循環器内科でSHDにおいて治療可能な疾患と、その治療法として

・弁膜症:大動脈弁狭窄症 (TAVI)、僧帽弁閉鎖不全症 ( MitraClip)、僧帽弁狭窄症 (PTMC)

・先天性心疾患:心房中隔欠損 (ASD閉鎖)、動脈管開存 (PDA閉鎖)、卵円孔開存 (PFO閉鎖)

が挙げられます。
また脳梗塞予防治療である左心耳閉鎖術や心肥大に対する心筋焼灼術 (PTSMA)もSHDの治療に含まれます。

診療体制

中澤学 教授がSHD治療全般の陣頭指揮をとり、SHDチーム長である水谷 一輝 医師を中心にインターベンション専門医、エコー専門医、心臓外科医、麻酔科医、コメディカルで構成されるハートチームで日々各種治療に取り組んでおります (写真1, 2)。

内科専修医の先生もSHDチームをローテーションで研修し、様々な疾患・治療を学べる環境を構築しています (写真3)。

毎週月曜・火曜日:ハイブリッド手術室にてTAVI, MitraClipを実施
毎月第3木曜日 : ハイブリッド手術室にて左耳閉鎖治療
その他     :心臓カテーテル室にてASD, PDA, PFO閉鎖を実施

写真1:ハイブリッド手術室でのTAVI治療風景

写真2:ハイブリッド手術室での左心耳閉鎖術 風景

写真3:心腔内エコー トレーニング風景

研究内容

SHD治療 の中でTAVI, MitraClip, 左心耳閉鎖術に関して、日本でトップレベルの治療実績を有する施設のみが参加しているOCEAN-SHDレジストリに近畿大学病院として参加し, これらのデータベースより論文作成・報告を行っています。(https://ocean-shd.com)

心エコー チーム

主に診療している疾患

  • Structural Heart Disease(構造的心疾患:主に心臓弁膜症、成人先天性心疾患)
  • 心筋症
  • 虚血性心疾患

診療体制

心エコー図検査(心臓超音波検査)は、心臓の形態や機能を評価する非侵襲的画像診断法であり、循環器診療において、各疾患の診断や治療方針の決定において欠かせない検査です。

当グループでは、以下のような診療を行っています。

1.臨床検査技師と協力し、経胸壁心エコー図検査を通して、日常臨床での病態把握・治療方針決定

2.運動・薬剤負荷心エコー図検査による虚血性心疾患・心臓弁膜症の診断ならびに重症度/治療適応判定

3.経食道心エコー図検査によるStructural Heart Disease (SHD; 構造的心疾患)の形態・重症度・治療適応評価

4.ハイブリッド手術室やカテーテル室で行われるSHDカテーテル治療の術中画像評価

5.麻酔科医と協力し、心臓外科手術の周術期心エコー評価

毎週月曜日夕方の心臓血管外科との合同カンファレンスで、弁膜症疾患に関する症例提示ならびに術式検討を行っており、毎週火曜日夕方には、医師と臨床検査技師で、心エコーカンファレンスを行い、知識の共有ならびに症例検討を行っています。

臨床面での特徴として、週2回の経食道心エコー検査に加えて、ほとんどのSHDカテーテル治療における術中画像診断に関わっています。関わっているSHDカテーテル治療は、TAVI/TAVR(経カテーテル大動脈弁置換術)、Mitraclip™による僧帽弁治療、LAA closure(左心耳閉鎖術)、ASD closure(カテーテルによる二次孔欠損型心房中隔欠損閉鎖術)、PFO closure(カテーテルによる卵円孔開存閉鎖術)など多岐にわたります。また、近年注目されるようになっている運動負荷心エコー図検査については、当院では長年の経験があり、多くの症例を行っています。

研究内容

Speckle-tracking法による心筋ストレイン法や3次元心エコー図法を用いて、弁や心腔形態と予後の関係性の研究を行っていく予定です。

また、当院は、カテーテル治療の多施設レジストリー研究グループであるOCEAN-SHD研究会の一員であり、研究計画を提出・承認されることで、SHDに関する研究への参画が可能です。

心不全チーム

心不全

心不全は、心臓のポンプ機能が低下するため、呼吸困難や全身倦怠感、全身の浮腫を認めるようになり、病状が進むにつれて十分に動くことができなくなる状態です。

心不全を発症する原因は虚血性心疾患や心臓弁膜症、心筋症など様々ですが、きちんと原因を究明し治療を行わないと再発を繰り返し、そのたびに病態が悪化してしまいます。

診療体制

心不全治療は、その原因疾患に対する治療が必要であり、侵襲的な治療と薬物治療を組み合わせて行う事がほとんどです。また、心不全のために悪循環となっている心肺機能を、運動機能訓練をすることにより改善させる心臓リハビリも効果的です。

心不全チームでは、医師や看護師など多職種でカンファランスを行い、心不全の原因に応じて患者さん一人一人にとって最も良い治療を検討しています。

近年、高齢化に伴い心不全患者さんは急増しています。中には心不全を完全に治療することはできず、一生付き合っていく患者さんも少なくありません。当院ではハートノートを使い、患者さんを地域の先生方と一緒に診療することで、心不全悪化の早期発見を行い、重篤化することを防いでいます。

研究内容

  • 心臓M R Iを用いた心不全の診断
  • 心不全とサルコペニアの関係性
  • 運動負荷検査を用いた心不全、肺高血圧症の早期診断と病態評価

不整脈チーム

診療体制

沿革

1990年に近畿大学医学部旧第一内科の佐藤良一、坂口好秀、高井博之が現在の不整脈チームの前身となる研究グループを立ち上げパッチクランプ法による電気生理実験を始めました。

臨床グループとしての不整脈チームは1994年に創成されました。高井博之、愛田良樹、唐崎専也、小柳津美樹、菅野亮、伊澤弘、赤松幹一郎、塚本哲也の8名でした。結成直後の1994年にWPW症候群に対して2例のアブレーション治療が行われました。

その後、心房粗動や房室結節回帰性頻拍へと適応を広げ、症例数を増やしていきました。この当時から、近畿大学では質の高い不整脈治療が行われており、1998年にフランスのハイサゲールが心房細動のカテーテルアブレーション治療を始めたわずか2年後の2000年、近畿大学病院においても高井と片山克彦により、心房細動のカテーテル治療が行われました。

2004年には98例のアブレーション治療が行われ、心房細動のカテーテル治療も28例まで増加しました。

2005年に高井が勇退し、元木康一郎がバトンを引き継ぎました。

2009年から栗田隆志が不整脈チームのリーダーとなり、その後も着実に症例を重ね、年間約300件のカテーテルアブレーションと年間約100例のデバイス植え込みを行う南大阪地区での不整脈治療の中心を担う施設となりました。

カテーテル手技中の高井
(写真提供:高井博之 1999年)

心内電位解析中の片山、伊澤

上段:左から伊澤、中野、高井
下段:片山(左)、元木(右)
(写真提供:中野厚志 2001年)

2015年 カテーテル室にて

2019年

現チーム紹介

不整脈チームは、スタッフ5名(大学院生2名)の診療体制です。現在、小竹はシドニー大学のSaurabh Kumar先生の元に留学し、致死性不整脈カテーテル治療に関する研究を精力的に行っています。

2019年からアブレーションに対応できるカテーテル室が2つに増え、並行して手技をすることができるようになりました。治療時の鎮静も工夫しており、静脈麻酔では手技が難しい症例には、全身麻酔下でのアブレーション治療も可能です(麻酔科の研修をうけた不整脈チームスタッフが全身麻酔管理を行います)。

地域の先生方との医療医連携を推進し、近隣施設での再発症例や難治例のアブレーション治療を依頼いただくことも多くなっています。基礎心疾患のある症例の緊急性を要する心室頻拍・心室細動に対するアブレーションも積極的に行うことができるようになってきました。

心不全症例の予後改善のための心房細動アブレーションやデバイス治療(His束ペーシング・両室ペーシング療法)に関しても他(多)チームと協力して積極的に行っています。

今後、需要の増加が見込まれる成人先天性心疾患の症例のアブレーションに関しても、心臓小児科と協力体制を築いて積極的に行っています。

治療実績

メンバー募集

医学部生諸君へ

心電図の問題が苦手だという人がいますが、試験と離れて心電図を学ぶと違った眼で心電図をみることができると思います。筋道を立てて物事を解釈していくのが好きな人(論理派)、わずかな違いに気が付いてそこから真実を追及していくのが好きな人(直観派)、自分の診断が正しいかどうかを確かめずにはいられない人(実践派)、そんなあなたに12誘導心電図は色んなことを教えてくれます。心電図の発する〝声″が聞えるようにサポートしますのでぜひ不整脈の世界に触れてみてください。

専攻医の先生へ

仕事に慣れてくると新しい発見や体験が少なくなり、モチベーションが下がるという経験はありませんか?不整脈は比較的新しい分野なので、まだまだわかっていないことがたくさんあります。未知の何かを発見した時の喜び、それを実証できた時の満足感は何ごとにも代え難い経験になると思います。ぜひ、我々と新しい発見をしましょう。

患者さんへのメッセージ

動悸や脈の不整でお困りの方は相談にお越しください。あなたに合った不整脈治療を提案させていただきます。繰り返し説明をお聞きになりたい方には動画も用意してあります。

心房細動のカテーテル治療は数時間かかりますが、治療中は静脈麻酔で深く眠っているような状態で手技をしますので目が覚めれば終了していたという方が多いです。痛がりなので心配だという方や、体格のがっちりした方で睡眠時無呼吸がある場合は全身麻酔下でカテーテル治療を行うことも可能です。手術後は数時間の安静が必要ですが、問題なければ手術の2日後に退院可能です(3泊4日の入院期間です)。

外来担当表