名和田 正明

近畿大学医学部循環器内科 専攻医

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私は令和3年に川崎医科大学を卒業後に、川崎医科大学附属病院で2年間の研修生活を送り、令和5年に近畿大学病院循環器内科へ入局させていただきました。医学部5年生の頃に本格的に勉強を始めた際に循環器の面白さを見出したことで、循環器内科に入ろうと考えるようになりました。しかし、いざまわってみると最初は心電図はおろか、心エコーやAngioなども全くわからない状態で学生時代の座学と臨床との乖離に衝撃を受けていました。ですが、循環器の勉強を進めていくうちにある程度は理解できることも増えローテーションが楽しくなっていきました。私はある時点から特に心エコーに興味を持つようになり、救急科などをローテーションしたときにも積極的にエコーを当てさせていただき、自分なりではありましたが、座学でも心エコーについて勉強するようになりました。私の母校ではカテーテル治療の選択肢が少なく、同じような症例の患者様が入院してくることが多かったため、先天性心疾患などを診る機会がほぼありませんでした。それに対し近畿大学では採用されているカテーテル治療の幅がかなり広く、それによって経験できる症例も多岐に渡ることが想像できたので、これから循環器を学んでいく上で勉強になるのではないかと思い入局を決意させていただきました。

入局後はCAG・PCIはもちろん、ASD症例なども診ることができ、非常に勉強になっています。救急ではACS・うっ血性心不全などを毎日のように診療し、カテーテル治療や心不全管理にも興味が湧いてきているところです。それに伴って心電図の判読力が上がったことも実感しており、最近では不整脈も勉強してみたいと感じるようになりました。

私は近畿大学で研修を行っていなかったため、当初は不安なことがたくさんありました。実際システムの違いなどになかなかついて行けず、自分の無力さや不甲斐なさを痛感する場面は多々あります。しかし、チームの先生を含め医局の先生方はとても親切な先生ばかりで、分からないことは何でも教えてくださるので非常に有難く感じています研修医時代に専ら勉強していた心エコーからはだんだん遠のいていっている感じもありますが、いろいろな分野を勉強させていただいた上で今後の進路を決めていこうと思っております。

現在私は内科専攻医プログラムとして、循環器内科入局以降も他科をローテートしております。やはり日々の診療を行っていくうえで他内科の知識が必要になってくる場面は多く、内科一般の知識を身につけることは非常に重要であると実感しており、そういった意味で他科のローテートは非常に意味のあるものだと考えています。他科で培った知識を活用することができればと考えております。
まだ知識や手技・診療能力など未熟な部分が多くご迷惑をおかけすることもあると思いますが、チームの一員として貢献できるよう日々精進していく所存です。

現在チームを組んでいる田中医師からのコメント

名和田先生の第一印象は、「あまりものを語らぬ静かな先生」でした。しかし、実際にチームを組んで働くと、彼は実に思慮深い人物であることが見えてきました。効率を求めず、一つの症例をジェネラルな目線から考察するような診療態度。そして思いも寄らない鑑別疾患を挙げてくることもあり、私は初心に戻される感覚を覚えました。限られた時間と人員で次々とやってくる救急に対応しているうちに、いつしか効率重視になってしまったのではないか…と。いやはや、反省。

そんな彼は、令和7年度から大阪府済生会富田林病院に出向となります。私も勤務経験があるので分かりますが、優れたトレーニングにより高い臨床力を習得できる施設です。大きく成長し、頼りになるチームメイトとなって帰って来てくれることでしょう!